高齢化に対するポジティブな見方

塾で教えている高校生に、大学は都市デザインの学科に進学したいという生徒が異様に多かったので、少し自分自身今の日本の社会構造について、人口減少と少子高齢化について考えてみようと思っていろいろ調べたところ、ネガティブな側面だけでなくポジティブな要素も少し見えたのでお話します。

前半に、現在抱えている高齢化社会の問題となる点を述べ、後半に逆にポジティブな側面や今後日本が具体的にどういった方針を取ればこの状況をプラスに転じることができるのかについて自分なりの考えを記します。

まずネガティヴな側面については、このままでは間違いなく医療崩壊をきたすという点です。コロナの一連の騒動で報道されましたが、現在日本の医療のキャパシティーは限界状態です。これは戦後、日本の医療システムがGHQからの要請により作られたものから何一つ本質的には変わっておらず、おおよそ時代不適なものであり続けているということもありますが、実際、現在高齢者の医療費にかかるコストが甚大な規模となっているうえに、施設としての医療機関が圧倒的に不足している状態です。救急医療に関しても40歳の心筋梗塞の患者を断るようなケースがあったりと病室が不足している状態です。したがって、限られた医療資源をどのように分配するか、また在宅医療の推進、医療、介護、福祉を総動員させた地域包括ケアが叫ばれるようになってきたというわけです。

2025年以降、人口減少はより顕著に現れるため、労働に関する制約が多くなるなかで医療や介護のサービスを確保するうえでは、医療分野だけでなくその他の領域においてもテクノロジーの必要性は大いに感じます。例えば自動運転の技術や身体補強のテクノロジーなどです。自動運転のテクノロジーは間違いなくデジタルトランスフォームにおいて重要であり、これによって高齢者を含めヒトやモノの移動コストが下がり、これは地方再生にも大きな影響を及ぼします。

よくテクノロジーの変化に対して否定的な見方をする高齢者がいますが、そのような人に対しては、例示と対話によって説得が可能な事柄でしょう。たとえば介護ロボットを導入する際には、ウォッシュレットに自分のお尻を洗ってもらうのと人間に洗ってもらうのとどちらがよいかと尋ねれば恐らく大多数が前者を選ぶと思います。

同じようにロボットアームにオムツを替えてもらうのと人間に替えてもらうのではどちらが良いかを尋ねると、恐らく前者になると思います。「あぁウォッシュレットと同じことか」と理解してくれると思います。このように分かりやすい例示をふまえて対話を行えば新しいテクノロジーに対しても受け入れやすくなります。とはいえ、なかなか理解してもらえない現状があるのも事実です。

このように解決すべき課題は沢山あり、高齢化社会と人口減少が並行していることは悲観すべき事柄もあります。しかし私にはこれをポジティブな現象として捉えることもできます。そして、そのように考える根拠は3つあります。

1つ目は「行動抑制」です。現状の日本においては、テクノロジーによって起こる労働の自由化、省人化に対するラダイト運動のような打ち壊しのムーブメントが起きにくいでしょう。今後の世界において機械化は社会正義であり世界における生産性向上のキーとなるため、それを阻害する物理的な運動量が少ないことはポジティヴに捉えられるでしょう。

2つ目は「輸出戦略」です。日本は高齢化社会に向けた社会構造の実験を行いやすい立場にあり、日本がいち早く高齢化に対する社会構造のソリューションを生み出せばそれは中国やアメリカに対する輸出戦略となります。日本は現在、欧州や米国で誕生したビジネスを輸入するスタイルが主流となっていますが、今後は日本で生まれるビジネスを海外へと輸出するということが可能になります。それだけでなくインバウンドの人材誘致としても効力を発揮すると思われます。

3つ目は「教育投資」です。少子高齢化により相対的に大人の数が増え子どもの数が減るため、本来であれば子どもに対して教育コストをかけることができます。これは社会正義であり2017年に安倍政権が幼児教育の無償化を打ち出したことなどはこれに当てはまります。

以上のように、少子高齢化と人口減少はテクノロジーの力で十分対処可能な領域です。良き方向に向かうための我々の最も本質的な課題は、起きている現象を「社会問題」として捉えるだけで嘆いて思考停止し、未来を悲観しまって他力本願になっているだけの人がどのようにしてこの社会でポジションを取っていけるようになるかということだと思います。

インタビュー

業務委託契約を結んでいるクライアント企業からインタビュー記事を載せたいというお話をいただいて、僭越ながら起業の経緯についてお話させていただきました!詳しい内容は上記の記事を読んでみてください!

もっと話したいことはあったんですがバタバタしていて一部しか話せなかったのでまた時間のあるときにブログや記事でお話していけたらなと思います!

独学でやってみる

僕が趣味でドラムを始めたのは中1のころで、きっかけはB’zのドラムのShane Gaalaasとの出会いでした。たまたまYoutubeで見つけた動画でダイナミックかつ繊細な演奏をしているShaneに憧れて、自分もこんなパフォーマンスができるようになりたいと強く思い、当時は親に懇願して電子ドラムを買ってもらいました。そこからは誰かに教わることをせずただがむしゃらに叩きまくりました。(その時の動画が何かは覚えてないので別のShaneの動画を載せておきます)

中学の三年間はひたすら日本や海外のロックバンドを網羅的に聴いて、懇願して買ってもらった電子ドラムで恐らく1000曲以上は叩いたかと思います。

高校に入って、たまたま生徒会経由で知り合った灘高校の友達を家に呼んでギターとドラムでセッションしたらそれが楽しすぎて、そこからはその友達の影響でプログレメタルにハマっていきました。なかでも最も影響を受けたのはDream Theaterです。一瞬先の展開さえ予測できないようなあまりにも鮮やかかつ変則的なリズムとメロディーに取り憑かれて、その難易度の高い技術を会得するべく、スキルとしての練習だけじゃなく音楽の理論や近現代の音楽史についても勉強し始めました。(↓Dream Theaterの動画貼っときます。)

そんななか高3のとき、友達と一緒にSkygraphというバンドを結成しました。そこではプログレッシブメタルコアやDjentと呼ばれる当時アメリカを中心に注目されていたジャンルに目をつけて、これを日本でやろうということで「クリーンなボーカルライン+楽器陣の技巧系フレーズ」というのをウリにして曲作りやCDプレス、ツアーを回ったりしました。アメリカでこのジャンルではPeripheryなんかが有名どころでしょう。もちろん僕自身もこのジャンルはかなり深くディグってめちゃくちゃ聴きあさりました。(↓恐縮ですがSkygraphの曲を載せさせていただきます。)

そしてこの頃からギターやベースにもハマってドラムだけでなくギターやベースでもDjentの曲を弾きまくってました。

そんなことをしていて無事に浪人して(苦笑)、その時期は勉強とSkygraphの活動を主軸にしていました。とはいえ一応浪人生の身分なので結局両立ができず、Twitterでオフィシャルにその旨を伝えて脱退しました。

結局今はバンド自体解散してしまいましたが、しっかりと「音楽を収益化する」という経験を積むことができたり、メンバーとツアー過程で現地のご当地グルメ食べ漁ったりして結構楽しめました。

そして大学に入って一通りのジャンルを聴くようになり、ロックやプログレだけじゃなくてEDM、ジャズ、エモ、スクリーモ、ポップスなどとにかく色んな音楽に触れ続けて2年が経ち、二回生でまた無事に留年したので(笑)幼少期のころ母の影響でずっと聴いていた原点のクラシックをやりたいなと思うようになりました。今思えばDream Theaterにハマったのも元々幼少期に壮大なクラシックの曲が好きだったからだと思います。

そんなときにたまたま2Cellosというチェロの二人組のユニットに出会いました。(もちろんYoutubeでです。)日本ではdocomoのCMで有名ですが、顔やプレイスタイル、サウンド全てにおいて魅了されて、当時バイトで貯めた資金でめちゃくちゃ安いチェロを買ってとにかく毎度の如く家に引き篭もって独学で弾きまくりました。(因みに↓2Cellosの動画です。)

そんなこんなで現在も日々ドラムの練習を継続しつつ、同時に再度クラシック音楽の歴史やその背景、演奏技術についてGoogleで勉強しながら、頻繁に(引かれるレベルで頻繁に)チェロの練習をしています。このチェロという楽器がまたドラムと違った難しさがあって大変なんですが、そのへんの話やクラシックの曲にまつわるロマンチックな話や切ない話などについても今後ブログを通してお話できたらなと思ってます。

こうしてずっと音楽に触れてきましたが、全て独学です。当時は独学でやったってできるはずないとか時間の無駄とか散々言われていました。でも、ラッキーなことに今は、練習する時間さえ捻出できれば別にスクールに通わなくてもYoutubeをはじめとした様々なツールを使うことである程度のレベルにまで到達できますし、十分に演奏を楽しむことができます。もし皆さんのなかでもこのコロナ禍のタイミングで音楽をはじめてみたいなと思う方がいれば自分への投資として楽器を買って、Youtubeや検索エンジンで学びながら練習してみると、日々の上達を感じながら、楽しみまがら音楽に浸れます。

このブログを読んで楽器を始めたという方がいれば僕としてもとても嬉しいですし、いつか何かの形でコラボさせていらだけたらいいなと思います!

価値の相乗効果

脳には、黒質の腹側被蓋野と呼ばれる領域があります。
腹側被蓋野は大脳基底核内のうち主にドパミンの生成を担う場所で、腹側被蓋野に細胞体をもつものを特にドパミン神経なんて言ったりもします。
パーキンソン病などの文脈で耳にすることもあるかもしれませんが、生理学的な機能をざっくり言えば「刺激に反応する中枢」のような領域です。

ここからはマーケティングの話になるんですが、この腹側被蓋野の「刺激」は根源的欲求だけでなく、旧情報が覆されて新情報となるようなときにも活発に興奮するので、ダイエットやファッションの流行りや関心はいつも既存の常識(旧情報)から新情報へと移行することによって起こります。

営業やマーケティングのコンサル業をするうえでは、自社やクライアント企業の商材自体は変化しないわけですから(商材自体が時代に合わせて変化に対応する場合もありますが)、そのような顧客の心理に対して適切に訴求するには売り方を変化させなくてはなりません。

したがって広告やオウンドメディアのLPなどは、この「違い」や「変化」をダイナミックに表現することでユーザーに対する訴求力を高め、巧みに購買意欲を煽り、コンバージョンや顧客の獲得を行っています。

広告やオウンドメディアでWeb上で認知から購買までをのモデルを組もうとしたときに最低限考慮すべきことは、
あなたの売りたいものが何なのか
(自分自身か、作品か、製品か、サービスか等)
売りたい対象はどんな人か
(男性か女性か、10代か40代か等)
ユーザーはそれを買うことでどんなwinを得られるのか
(その商品を商品として欲しいのかそれとも商品を用いて生活や人生を変えたいから買うのか)

の3つです。これは法人だけではなく個人に関しても同じことが言えます。
例えば、僕自身が将来的に売りたい商材は、

1、Webマーケターとしてのマーケティングノウハウ
2、歯科医師としての専門知識や技術
3、ブロックチェーンの専門知識やプロダクト
4、チェロやドラムなどの映像コンテンツ

の4つで、それぞれのペルソナは、

1 → 起業、副業、フリーランスに興味のある大学生〜社会人
2 → 小児〜高齢者までの幅広い年齢層の男女
3 → 企業や個人事業主
4 → 音楽に関心のあるリスナーやプレイヤー

です。そしてそれぞれユーザーが得られるメリットは、

1 → 仕事のノウハウやお金の稼ぎ方
2 → 健康増進や、精神、身体面における生活の質の向上
3 → 企業のもつ商品やサービスの質の向上
4 → 娯楽としてのコンテンツの体験

です。実現する順番は1→2→3→4の順で、それぞれ24才、26才、32才、35才を目標年齢として設定しています。(それ以降の目標はまだ見えていません笑)

また、これらは相乗効果が大きければ大きいほど良いです。僕の場合の大まかな理想的なシナジーの図はこんな感じです。(点線がシナジー)

僕の場合は歯科医師というニッチな選択肢があるのでレアケースですが、多くの人にとって相乗効果を生みやすいのはWEBマーケターとしての経験値だと思います。もしこの話を通して人生のデザインや広告、コンサル、Webマーケに興味をもたれた方はDMにてご連絡ください!

500万の事業を買う件

tranbiという事業の売買のサイトで、100万円〜数億円くらいの幅でのM&Aが取り扱われているんですが、この前「海外に向けた日本のお菓子の定期購入のサブスク」の事業が500万円で買えるという情報を見つけてしまい、買うべきか悩んでいます。

一年あれば2000万円くらいの価値にまで高められるスキームを組める概算モデルを作れたというのと1000万円以内で買えるのであればリスクも少ないことから本気で悩んでいます。

メインターゲットは20歳前後の外国人女性なんですが、この事業を買おうとしている目的は3つあります。

1、お菓子をフックとして漫画、フィギアやコスプレなどのサブカルチャー等の日本発祥の商品を販売する

2、Shopifyでのサブスクモデルを使ってECサイトよりもコストと手間を下げて提供するモデルを実験する

3、既に農林水産省NO-FOOD LOSS Projectの承認を得ていることから単純に食品ロスという社会問題の解決案を思考し実験する

です。こんなこと書いてるとこれを読んでいる人の中から先に購買者が出てしまうと悲しいので詳しい戦略は伏せますが、もしうまくいけば数ヶ月以内に事業始めてるかもです。

恋愛とWebマーケ

マーケティングと恋愛は基本的な構造は同じです。その根拠について書きます。

Webマーケティングにおける1つのゴールを
「CVさせること」
恋愛における1つのゴール(実際はそれ以降の方が大変ですが…)を
「付き合い始めること」
としたときに、そこへの導線は、

前者では
PV数(サイトに訪れる人の数) × CTR(クリックする割合) × CVR(成約する割合)
後者では
出会いの数 × 連絡やデートの割合 × 告白の成功率
ですがこれらに共通することを抽象化すると
「接触可能な人数を増やして、 一人一人にきちんと刺さるような対応をして、決めの一手をさす。」ということです。

PV数に関しては、他メディアやSNSやyoutubeからの集客導線を確立させることやGoogleのアルゴリズムを紐解いてインデックスされやすいようにすること

対して出会いの数に関しては、友達や会社の同僚などから誘われる飲み会や合コンなどの導線を確立させて場の総数(ひいては出会いの総数)を上げること

CTRやCVに関しては、実際にその商材が欲しくなるような文言や画像、動画などを用いてコンテンツの質を保ちつつユーザーの行動喚起を起こすこと

対して連絡やデートの割合や告白の成功率に関しては、自分と付き合って時間を共有することであなたにこんな価値を提供することができますというプレゼンテーションを行い、相手に求められるような状態を作り出すこと

また、見た目だけで始まって中身の伴わない恋愛は十中八九長続きしないのですが、それはマーケティングでも同じことです。デザインだけ優れたメディアを量産しても結局それがユーザーに訴求できていなければコンバージョンには至りません。

恋愛においてむやみやたらに出会いの数を増やすことだけ考えるのではなく、そこから成就に繋げるための努力を惜しんではいけないということです。

今の話の根拠を明確にするために具体例を挙げて計算してみます。例えばメディアの月間のPV数が1万人いたとしましょう。その中でCVRが0.1%であれば実際に金銭を発生させてくれる人数は10人です。しかし月間PV数が5000人であってもCVRが10%あれば500人が商材を購入してくれるわけです。つまり人の流入がが半分でも売り上げは50倍です。

因みに、恋愛における出会いの場には、
双方に出会う意思があって出会う状況
(互いの友人からの紹介や、婚活や出会い目的のバーでのナンパなど)
一方に出会う意思があって出会う状況
(街中でのナンパなど)
完全な偶然によって出会う状況
(学校の同窓生など)
があり、成約率が高いのは明らかに1つ目の状況です。

マーケティングも一緒で、もし自分が商材を売りたいと思った時に、その商材を全く知らない、または興味のない人間に訴求するのは難しいですが、そもそもGoogleやインスタなどでその商材に近いものを探しているような能動的なユーザーには効果が大きいです。広告の仕組みはこれらを上手く利用しています。

優秀なWebマーケターとはただメディアのコンテンツの質を上げたりアナリティクスの数値を見て適当に施策を打ってPDCAを回すだけでなく、これらの「人間行動についての知見と数値データとかけられる予算を全て考慮した上で最適化することができる人」です。

先ほどの例で言えば、自分やクライアントの商材が認知されていない、または興味のないユーザーが世の中の殆どという状況で、多くの人の目に触れさせて認知度を高めるというCM的な手法にはコストがかかります。しかしそもそも興味を持っているターゲットにセグメントを絞ってユーザーを囲っていこうとするのであれば必然的にコンバージョンの割合は高くなり、広告にかける費用も抑えられます。

このように恋愛でもマーケティングでもターゲットをスクリーニングするということは非常に重要です。

いかがですか?マーケティングにも恋愛にも結局は勝利条件というのが明確にあって、その確率を上げる戦略は存在します。今回はざっくりとしか紹介していませんが、詳しいWebマーケの手法や戦略については現在は個人に対しては無料でオンラインのコンサルティングを、企業の方には有料でオンラインまたは対面によるコンサルティングを行っているのでご興味がおありの方はSNSにてご連絡ください!

ゲーム理論

ゲーム理論とは「利害関係を持つ相手がいる状況で、自分と相手の利益を考え、最適な行動を決める」ための思考法を研究する学問です。

この学問は非常に奥が深くて、政治、経済などの規模の大きなフィールドにも、個人の意思決定という小さなフィールドにも適用することができます。ゲーム理論を解釈し、実行することは『人生戦略における最強の武器』となることがだんだん分かってきました。なので今回は僕がチューリッヒ大学でブロックチェーンを用いた技術開発に関わる過程で、並行して学んでいるゲーム理論の本質とその応用について紹介していきます。

ゲーム理論は端的に言えば「プレイヤーが誰で、どんな選択ができて、その結果起こるペイオフはどんなものなのか」を考えるものです。したがって、例えば最近の中国とアメリカの関税引き上げ合戦も、サッカーのシューターとキーパーの一瞬の駆け引きも、恋愛における異性へのアプローチも、結局のところゲーム理論です。

これの面白いところは、プレイヤーが全員「合理的」であるという前提に立っていないことです。「自身を取り巻く環境に対して常に一貫した視点を持ち続ける」ような人間同士が行うゲームに限定したわけではなく、不合理なプレイヤーの存在を潜在しているという点に魅力があります。現実世界では、合理的な思想を持ったプレイヤーしかいないという状況は逆に稀です。

いかなる状況でも、現状を分析して、自分の力で戦略的優位性を獲得することができれば、それは必ず幸福実現に影響を及ぼします。ゲーム理論の最大の魅力は、ビジネスでもプライベートでも、参戦するゲームを自分が主体的に形成していくことで、戦う「前に」勝利できるということにあります。

ピーター・ティールが、
“Monopoly is the condition of every successful business.”
「独占は、全てのビジネスの成功の条件である。」

と言うのは、競争によって生まれる利益は、プレイヤー同士が自らの得られる恩恵を削りあっているに過ぎないと言う意味で、結局のところ、この独占状態というのは「ナッシュ均衡に陥ってお互いが睨みをきかせているような状態をつくり出すよりも先に勝利する」というゲーム理論の思考が中心にあると僕は解釈しています。

では実際にどういう戦略を取ればそのゲームで優位性を獲得することができるのか?ということについて、具体化して話していきます。

「囚人のジレンマ」という言葉を耳にしたことがありますか?
簡潔に言えば、A,Bという2人の囚人に対して、

  • 囚人AとBがともに黙秘する → 双方懲役2年
  • 囚人AとBがともに自白する → 双方懲役5年
  • 片方の囚人が裏切る → 自白した囚人は懲役0年、黙秘した囚人は10年

    というルールで展開されるゲームです。

他人の戦略を所与とした場合、どちらの囚人も自分の戦略を変更することによってより高い利得を得ることができない戦略の組み合わせをナッシュ均衡といい、今回においては「両者が自白する」という選択がそれに当たります。しかし、両者とも自白をしてしまった場合に比べたら、両者とも黙秘をした場合の方が刑が軽く、望ましい状況です。これをパレート最適といい、全体にとっての利益が最大となる状況を表します。また、囚人Aにとって、相手が自白しようがしまいが、自分は自白をしておけば最も大きなリスクである懲役10年を避けられます。この状況を支配戦略と呼びます。

これを日常に抽象転用すると、各携帯会社の月額使用料の価格設定や、恋愛における男女の浮気に対する行動の最適化などにも当てはまります。

僕自身は今、これを数学的に、より厳密に測定するうえでどういった計算が必要になるか、そして戦略の1つ1つを確率や期待値やベクトルや行列を用いて計算することで、最適化プロセスを導き出すといったことをしています。(難し過ぎて苦戦しまくってます。)

最後にもう1つ個人的な話として、なぜブロックチェーンを学ぶうえでゲーム理論を学ばなければならないのか、考察を書きます。僕の見解では、世界中のノード、マイナー、ハッカー、政治家、法律家、一般ユーザーなどを「プレイヤー」と定義したとき、PoWにおける51%攻撃の問題や、それ以外のマイニングシステムに対して、各々のプレイヤーの性質や、戦略を考慮する必要があるためだと理解しています。また、それだけでなくゲーム理論を駆使してブロックチェーンの中に高度なインセンティヴの設計をしないことには僕の目指す医療分野での応用はまだまだ現実性を帯びないことも最近分かってきたため、今後も試行錯誤を繰り返しながら診療における情報管理やトークン付与のインセンティヴ設計を試みようと思います。

「株式会社の終焉」

現在の資本主義は経済成長に対して「より速く、より遠くに、より合理的に」という原則のもとに成り立っています。しかし、本書の主張としては、21世紀以降の資本主義はむしろ「よりゆっくり、より近くに、より寛容に」という真逆の方向性が必要となってくるというものです。

コペルニクスがもたらした16世紀のパラダイムシフトによって「鉄道と運河の時代」が到来し、それから近代にかけての約400年間、人間は経済成長を優先して地球という無限の空間を猛スピードで開発して人々の生活水準は飛躍的に向上しました。しかし、20世紀に入って「地球は有限である」ということが判明し、成長は終わりました。日本においても2012年以降は自然利子率がマイナスとなり、2020年の現在では潜在成長率もマイナスになろうとしています。

潜在成長率を決定する要因は「技術進歩」「労働量」「資本量」ですが、日本においてはいずれも既に成長に貢献していません。なぜそれらが成長に寄与しなくなったのでしょうか。答えはシンプルです。

技術進歩が成長に寄与しなくなったのは、売り上げ増以上に研究開発費のコストがかかるようになったから。”

労働量が成長に寄与しなくなったのは、家計の収入増以上に教育費がかかるようになったから。”

資本量が成長に寄与しなくなったのは、資本を増やすことで企業の不良債権が増え続けるようになったから。”

したがって21世紀の経済システムでは、潜在成長率がゼロであるという前提のもとで設計しなければなりません。マクロ経済がゼロ成長であれば、その内訳である企業利潤、雇用者報酬、減価償却費も対前年比増減率がゼロであってもいいということが出発点になります。そのうえでフローとして資本と労働の分配比率を変え、内部留保金を減少させ、過剰資本に対する内部留保金を国庫に返却して再分配し、ストックとして過剰に積み上がった内部留保金には資産課税で是正するといった、フローとストックの双方の是正を行うことが必要です。

地球が無限であるという前提のもとではじまった株式会社の「前向き」なスタイルは、地球が有限であるという前提に切り替わった現在では「後ろ向き」になっています。社会の歯車が逆回転したのであれば会社がそれに合わせて回転方向を逆転させるということは極めて自然な流れであるにも関わらず、近代成長教の信者にとっては「よりゆっくり、より近くに、より寛容に」という方向性はまったくもって受け入れられないようです。

この本の著者の水野和夫氏は、

”『近代における支配的な概念は、ベーコンの「進歩」やデカルトの「合理性」です。これを経済学の観点から定義すれば「成長」です。アリストテレス宇宙論をひっくり返したコペルニクスのように、前提を疑って既成概念から脱却しないことには何も「前に進まない」のです。』”

と表現していますが、確かに、既成概念に囚われずに近代思想から脱却しなければ、現代社会においては企業は永遠に「後ろ向き」に進み続けていき、日本の企業は今後も不良債権を抱え続けるようになってしまいます。

最後に本書の最後の文言を引用します。

”「資本主義よ、強欲を捨てられたら、ゆっくりできるのに。寛容になれるのに」「株式会社よ、現金配当やめたら、お前は休めるのに」”