歯髄の保存について

ある分類法では、歯髄は、歯髄炎が可逆的(神経が元に戻る)か、または非可逆的(神経が元に戻らない)か、または歯髄が壊死しているかによって、歯髄保存療法歯髄除去療法感染根管治療の3つの治療法に分けられます。もちろん歯髄は可能な限り保存する方が良いのですが、それが可能なケースについて、そして適応症がどのレベルの歯髄炎なのかについてお話します。

1、歯髄保存の意義

歯髄を保存するのは直接的な意義と間接的な意義があります。

まず直接的な意義としては、主に以下の4つがあります。

・歯髄感覚の保持

 → 痛みがあると虫歯に気づきやすい

・外来刺激の遮断

 → 修復象牙質が形成される

・歯根や根尖孔の形成

・免疫機能の発現

次に、間接的な意義としては主に以下の3つがあります。

・修復処置の軽減

・抜髄後の根尖病巣の発生リスクの軽減

・歯の破折の防止

2、歯髄保存療法の適用

歯髄を保存する歯髄保存療法には「歯髄鎮痛消炎療法」「覆髄法」があります。

①歯髄鎮痛消炎療法

定義:象牙質面に薬剤を塗布して鎮痛と消炎を図ることで、歯髄の軽度の炎症を招待させる療法

適応症:歯髄充血急性単純性歯髄炎

(細菌感染を受けていない、病的に興奮した可逆性の歯髄)

②覆髄法

i)直接覆髄法

定義:外傷や齲蝕の除去などによって歯髄が露出した場合に適切な材料で直接修復して外部からの刺激を遮断するとともに修復象牙質の形成を促し生活歯髄の保護を図る方法

適応症:外傷による露髄で感染がない場合(可逆性歯髄炎の場合は禁忌)

材料:水酸化カルシウム製剤、MTA(接着用レジン)

ii)間接覆髄法

定義:外傷や齲蝕の除去などによって残存する象牙質が薄くなった場合に物理的または化学的刺激を遮断し積極的に歯髄の鎮静と修復象牙質の形成を促すことを目的として象牙質名を被覆する方法

適応症:正常歯髄を有する深在性う蝕、破折歯

材料:酸化亜鉛ユージノールセメント、接着性レジン

iii)暫間的間接覆髄法

定義:歯髄に到達するような深在性う蝕で歯髄が臨床的に健康、または可逆性の歯髄炎の症状を呈する場合、期間をあけて段階的に齲蝕を除去することで露髄を開始する方法

末梢神経の障害

 脳神経は前から順番に嗅神経、視神経、動眼神経、滑車神経、外転神経、三叉神経、顔面神経、内耳神経、舌咽神経、迷走神経、副神経、舌下神経と12種類あります。 それぞれの神経が障害された場合に起こる主な症候は、

視神経  → 視力低下、対光反射消失

動眼神経 → 眼瞼下垂、眼球の運動障害、散瞳、対光反射消失

滑車神経 → 眼球の内転障害

外転神経 → 眼球の外転障害

三叉神経 → 顔面の感覚鈍麻、角膜反射消失、咬筋脱力

顔面神経 → 閉眼不可、鼻唇溝、味覚障害、唾液分泌減少

内耳神経 →  難聴、めまい、平衡障害

舌咽神経 → 舌後部や咽頭の感覚鈍麻

迷走神経 → 発音、構音、嚥下の障害、咽頭反射消失

副神経  → 胸鎖乳突、筋僧帽筋上部の脱力

舌下神経 → 舌の萎縮、神経束性収縮 

 僕たちの専門領域である口腔領域における三叉神経の圧痛は三叉神経痛と呼ばれ、特発性のものと続発性のものがあります。前者は三叉神経に対する血管の圧迫によるものが多いと思われますが、原因は今のところ不明であり、後者は三叉神経神経鞘腫、血管奇形、多発性硬化症、帯状疱疹後遺症などが原因です。三叉神経痛は女性に多く、特に50代〜60代の方に多く見られます。

髄膜炎と脳炎

 髄膜炎は軟膜、くも膜、くも膜下腔の炎症であり、急性と慢性、感染性と非感染性に分けられます。

 急性で感染性のものは

細菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎

 慢性で感染性のものは

結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、神経梅毒 

 急性で非感染性のものは

薬剤性髄膜炎、原田病

 慢性で非感染性のものは

癌性髄膜炎、ベーチェット病、サルコイドーシス

 髄液の細胞が増加している場合は特に、髄膜炎や脳炎と考えられますが、細胞の分類や糖の低下があるかどうかが原因を区別するポイントとなります。

 また、脳炎の原因としてはウイルス性または自己免疫性の二種類があり、自己免疫性のものはNMDA受容体抗体脳炎をはじめとする脳内の抗原に対する自己免疫性炎症による脳炎であり、 抗NMDA受容体抗体陽性脳炎では奇形腫は速やかに摘出する必要があります。

高齢化に対するポジティブな見方

塾で教えている高校生に、大学は都市デザインの学科に進学したいという生徒が異様に多かったので、少し自分自身今の日本の社会構造について、人口減少と少子高齢化について考えてみようと思っていろいろ調べたところ、ネガティブな側面だけでなくポジティブな要素も少し見えたのでお話します。

前半に、現在抱えている高齢化社会の問題となる点を述べ、後半に逆にポジティブな側面や今後日本が具体的にどういった方針を取ればこの状況をプラスに転じることができるのかについて自分なりの考えを記します。

まずネガティヴな側面については、このままでは間違いなく医療崩壊をきたすという点です。コロナの一連の騒動で報道されましたが、現在日本の医療のキャパシティーは限界状態です。これは戦後、日本の医療システムがGHQからの要請により作られたものから何一つ本質的には変わっておらず、おおよそ時代不適なものであり続けているということもありますが、実際、現在高齢者の医療費にかかるコストが甚大な規模となっているうえに、施設としての医療機関が圧倒的に不足している状態です。救急医療に関しても40歳の心筋梗塞の患者を断るようなケースがあったりと病室が不足している状態です。したがって、限られた医療資源をどのように分配するか、また在宅医療の推進、医療、介護、福祉を総動員させた地域包括ケアが叫ばれるようになってきたというわけです。

2025年以降、人口減少はより顕著に現れるため、労働に関する制約が多くなるなかで医療や介護のサービスを確保するうえでは、医療分野だけでなくその他の領域においてもテクノロジーの必要性は大いに感じます。例えば自動運転の技術や身体補強のテクノロジーなどです。自動運転のテクノロジーは間違いなくデジタルトランスフォームにおいて重要であり、これによって高齢者を含めヒトやモノの移動コストが下がり、これは地方再生にも大きな影響を及ぼします。

よくテクノロジーの変化に対して否定的な見方をする高齢者がいますが、そのような人に対しては、例示と対話によって説得が可能な事柄でしょう。たとえば介護ロボットを導入する際には、ウォッシュレットに自分のお尻を洗ってもらうのと人間に洗ってもらうのとどちらがよいかと尋ねれば恐らく大多数が前者を選ぶと思います。

同じようにロボットアームにオムツを替えてもらうのと人間に替えてもらうのではどちらが良いかを尋ねると、恐らく前者になると思います。「あぁウォッシュレットと同じことか」と理解してくれると思います。このように分かりやすい例示をふまえて対話を行えば新しいテクノロジーに対しても受け入れやすくなります。とはいえ、なかなか理解してもらえない現状があるのも事実です。

このように解決すべき課題は沢山あり、高齢化社会と人口減少が並行していることは悲観すべき事柄もあります。しかし私にはこれをポジティブな現象として捉えることもできます。そして、そのように考える根拠は3つあります。

1つ目は「行動抑制」です。現状の日本においては、テクノロジーによって起こる労働の自由化、省人化に対するラダイト運動のような打ち壊しのムーブメントが起きにくいでしょう。今後の世界において機械化は社会正義であり世界における生産性向上のキーとなるため、それを阻害する物理的な運動量が少ないことはポジティヴに捉えられるでしょう。

2つ目は「輸出戦略」です。日本は高齢化社会に向けた社会構造の実験を行いやすい立場にあり、日本がいち早く高齢化に対する社会構造のソリューションを生み出せばそれは中国やアメリカに対する輸出戦略となります。日本は現在、欧州や米国で誕生したビジネスを輸入するスタイルが主流となっていますが、今後は日本で生まれるビジネスを海外へと輸出するということが可能になります。それだけでなくインバウンドの人材誘致としても効力を発揮すると思われます。

3つ目は「教育投資」です。少子高齢化により相対的に大人の数が増え子どもの数が減るため、本来であれば子どもに対して教育コストをかけることができます。これは社会正義であり2017年に安倍政権が幼児教育の無償化を打ち出したことなどはこれに当てはまります。

以上のように、少子高齢化と人口減少はテクノロジーの力で十分対処可能な領域です。良き方向に向かうための我々の最も本質的な課題は、起きている現象を「社会問題」として捉えるだけで嘆いて思考停止し、未来を悲観しまって他力本願になっているだけの人がどのようにしてこの社会でポジションを取っていけるようになるかということだと思います。

脳卒中には脳梗塞も含まれる?

<前提知識>

神経系は、中枢神経系である脳と脊髄と末梢神経系に分けられます。

末梢神経系は神経筋接合部で骨格筋と接し、知覚神経の末端は皮膚や関節に分布します。 これ以外に交感神経副交感神経のような自律神経が血管や内臓に分布しています。 

また脳は大きく大脳、間脳、小脳、脳幹に分けられ、 それらはさらに、

 ・大脳:皮質や基底核などの灰白質の部分と白質の部分

 ・間脳:視床や視床下部

 ・小脳:皮質や小脳核などの灰白質と白質の部分

 ・脳幹:中脳、橋、延髄

のように分けられます。

中枢神経系の疾患としては、

頭痛、認知症、脳炎、パーキンソン病、脳卒中、髄膜炎 、多発性硬化症

末梢神経系の疾患としては、 

多発神経炎、ギラン・バレー症候群、

神経筋接合部の疾患としては、

重症筋無力症

などが有名です。

<本題>

脳卒中「血管が詰まるもの」「血管が裂けるもの」に分けられ、

前者では、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞、心原性脳梗塞など)

後者では、脳出血くも膜下出血

がそれにあたります。 

パーキンソン病は脳の脳幹の中脳の黒質にある、ドーパミンを分泌する神経細胞が減少することで、スムーズな運動を行うことができなくなり、ふるえ、強張り、動作不全といった三大兆候や、それに加えて、姿勢が前後や左右に傾く姿勢反射障害も含めた四大兆候がみられることがある疾患です。

重症筋無力症は神経筋接合部の シナプス後膜に存在する分子に対する自己免疫疾患です。その標的分子の9割近くはアセチルコリン受容体と呼ばれるもので、その主な症状は眼瞼下垂などの眼症状、四肢の筋力低下、構音障害、嚥下障害などが挙げられます。

medical blockchain

医療情報のアプリ開発

本日PR TIMESにて、僕がコンサルとして入っている4人のチームでの医療情報管理アプリケーションの進捗が報道されました。

4人のチームと言っても実際には2社と1つのブロックチェーンプラットフォームが関わっているんですが、どんなアプリかと言うと、ざっくり言えば「患者が自身の健康データを自身で所有することができるアプリ」です。

これが実現すれば、病院を変えるたびにイチから診察せざるを得ないような無駄な工数を減らし、個人が自身のバイタル情報を常に個人の手で管理することができ、かつ病院側もそのデータに基づいた診療を行えるため問診の工数が減り、ウィンウィンな関係構築ができます。

とてもシンプルなアイデアですが、これの何が難しいかというと、一番は個人情報の管理です。(他にも既得権益や患者側の技術的負担や法律面の問題など様々な困難がありますが…)暗号化のスキームをきちんと組まないことにはこれらの個人情報を蓄積した中央サーバのハッキングによってセキュリティの点で非常に危険な状態に陥ってしまいます。

それを解決するために(株)エバーシステムに協力していただき、患者情報をハッシュ化して時系列に沿って記録する方法ような、ブロックチェーンを用いたバックエンドの仕組み作りを担っていただくことになりました。

ざっくりとそのスキームを説明すると、

患者の秘密鍵と医療機関の公開鍵を使うことで、サーバ管理者にも閲覧できない状態で、サーバを経由して健康データを患者から医療機関に渡す。
秘密鍵をなくしたときに、医療機関に依頼することにより、医療機関の秘密鍵と新しく作成したユーザの公開鍵で健康データを再暗号化することにより、ユーザの秘密鍵の再発行を可能にする。

といったものです。

詳しいUIや機能については今後もプレスを打つ機会があればその都度発信していくつもりですが、現時点でなんらかの資金援助やファンドをしていただける方やアドバイスをいただける方は大歓迎ですのでSNS経由でぜひともご連絡ください!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000048206.html